魔女の家を救いのある話にしてみよう
エレン
古より人間と激しい対立をしている魔女の生まれ変わり的存在。今まで多くの人間を苦しめ、また人間たちに残虐に殺されてきた。極めてタフな存在であり人間であれば死ぬようなダメージにも耐える。肉体が完全に崩壊をすると死に絶えるが、精神な生きたままであるため、またどこかで生まれ変わることになる。生まれ変わりの前には苦しみ悶えて死ぬ宿命を背負っている。
エレンは娼婦と客の関係からできた子で、疎んじられており日々虐待を受けていた。もともと望まれない存在であったが、エレンが魔女の片鱗を見せるようになってから激しい虐待を受けるようになった。それでもまだ幼く魔女の記憶を取り戻してないエレンは両親に愛されたいと願っていた。その心の隙間に付け入ったのがヴィオラである。
ヴィオラの策略により両親が殺害され、両親死亡後は矛先が自身に向いかつてそうだったように不死身に近い魔女の肉体は数々の拷問を受ける。想像を絶する苦痛の中で徐々に魔力を取り戻し、ついにはヴィオラと入れ替わることに成功。そして、健康なヴィオラの体に入れ替わったと同時に完全に魔女としての記憶を取り戻し、自分を迫害し続けた人間に対しての復讐を決意する。
ヴィオラ
生まれながらのサイコパス。今まで数多くの動物を殺してきた。魔女の家で登場をする黒猫や蝶、カエル、クマといった動物たちは彼女が殺した動物たちの幻影。熊は父が母熊を撃ち殺して孤独になった子熊を生きたままに解体した。
動物の殺害に飽き始めていたヴィオラが人間の殺害に関心を持つようになるのは自然な流れだった。ある時ひょんなことからエレンの不思議な力を目の当たりして、彼女が魔女だということを知る。それと同時に複雑な家庭環境であること、孤独に耐えかねていることを知りエレンの心の隙間に付け入りエレンの両親を殺害する。更にエレンが不死の存在であることを知り、遊びと称した拷問にかけるのであった。
子供ながらに恐ろしいほど知恵が働き、魔力の弱いエレンは逆に良いように操られることになる。自分が殺されそうな状況すらも楽しんでいたのだ。ところがエレンが体を交換するという魔法があることを知らず油断をしていたところ自分が拷問の限りを尽くした肉体に入れ替えられ地獄の苦しみを味わうことになった。
ヴィオラの父
猟師は動物虐待の欲望を合法的に満たす手段として始め、幼少の頃より動物を殺すのが好きだった。ヴィオラとは違い真正のサイコパスではないが倫理観はかなり欠如している。酒乱でもあり酒を飲んでは暴れる日々を過ごしていた。そのような中で唯一優しく接してくれたヴィオラの母を半ば強姦に近い形で妊娠をさせヴィオラが生まれる。父親になったことで人間としての優しさが目覚めるが、後にエレンから実の娘を自分の手で葬ったことを伝えられ、猟銃で自分の頭をぶち抜く。
ヴィオラの母
悪徳金融の娘で何不自由なく育てられ、常に周りからはチヤホヤされてきたことから、世界は何でも自分の思い通りだと思っていた。事実、恵まれた美貌を使い男を手玉に取り、親の権力のみならず自分の力でも周囲を思い通りコントロールしていた。ヴィオラの父も同じように面白いおもちゃを手に入れたと思い、いつもの色仕掛けを使って操る魂胆だったが、暴走したヴィオラの父に孕ませられる。その後、ヴィオラが生まれる前に家は没落し苦境に立たされ、ヴィオラを出産したところ悪魔の子が生まれたと発狂して身投げ自殺をする。
登場人物全てに救いがないことこそが救いだったのである。誰もが苦しむに値するだけのカルマを持ち、そのカルマを清算するために悩み苦しむのであった。
なかなか、良い設定だな。週刊ストーリーランドに応募しよ。
実は入れ替わった少女はいなかったEND
魔女の宿命から崩壊しきった家庭に生まれたエレンは、両親が薬物中毒であったことから虚弱体質で生まれることになった。魔力はあれども体の弱さはどうにもすることができず、新しい体を探していた。魔女としての自我に目覚めた時に両親を殺害、それから一人魔女の家で暮らすがある時近くに訪れたヴィオラと出会う。そこで、エレンはヴィオラの体を乗っ取ることを計画する。しかし、ヴィオラはそれを知っていてエレンに近寄ったのであった。
普通の人間であれば死んでいるほどの虐待を受けているにもかかわらず生きていることで、ヴィオラはエレンが魔女であることを見抜く。同時に魔女相手であれば、残虐非道な限りを尽くしても罰せられることがないと考え、エレンをおもちゃにすることに決めたのであった。友達のふりをして近づき遊びと称してはエレンを拷問にかける。エレンもまたヴィオラの体を乗っ取ることを考えているため、あえてその苦痛に耐えていたのだ。日に日にエスカレートする拷問に耐えかね、ついに本気でヴィオラを仕留めに行くも良いようにあしらわれる。悪魔よりも悪魔らしいヴィオラからすればエレンの本気など児戯に等しくトムとジェリーのようなものであった。
肉体の崩壊に耐えられなくなったエレンは必死でヴィオラを家の外まで追いかけ回すが、自ら用意していたナイフによってとどめを刺される。ここでヴィオラは意味深は発言をして、自分とエレンは入れ替わっていたかのようなことを口にする。ところがこれは全ての罪を魔女になすりつけるための嘘であった。そう、ヴィオラは画面の向こうで見ている人間の存在すらも知っていたのだ。そして、最後に全ては魔女の悪巧みだったかのように画面の向こう側の人間すらも騙したのであった。
この話には体が入れ替わって苦しみ悶えた少女の存在はなく、魔女と悪魔のおぞましい戦いがあるだけだったのである。
良かった!不幸な少女なんていなかったんだ! スカッとジャパンに応募しよ。
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