駄作ではないけれども良さが失われてるロックマン8

2019年8月19日

大昔にガラクタ屋で買ってそのまま放置していたロックマン8をクリアした。

55分ぐらいのRTAの動画があったので、2時間ちょっとぐらいでクリアできるかなと思っていたら、かなり苦戦して倍以上の時間がかかってしまった。

ファーストインプレッションとしては、ロックマンの左右の動きが鈍くて軽快感に欠けるだった。

元々、ロックマンは左右の動きが速いわけではないが、それに輪をかけて遅くスライディングをしてももっさりしている。従来のシリーズであれば歩行速度は遅くてもスライディングで颯爽とステージを駆け抜けることができたので、そこで軽快感を味わうことができたのだが、今作はそれがない。

動きが鈍いと敵の攻撃を避けにくいばかりか、快適性に影響をしてくるのでこれはいただけない。ジャンプの移動距離も短くなっているので、ちょっとした穴でもギリギリのように感じられて心理的にも常に圧迫感があるのも良くない。

ゲームバランスが崩壊するほどではないが、従来のシリーズを知っていれば面白さが損なわれていると感じるぐらいの欠点ではある。

そのため、最初は操作に慣れずに苦戦をしてテングマンにすら苦戦をしてゲームオーバーになってしまった。いきなり出鼻をくじかれる形となり、このゲームはもしかして難しいのではと思ったのだが、ある程度慣れて進めていくとそれほど難しい部分は多くなかったりする。

むしろ、ライトゲーマーでも楽しめるぐらいの難易度であり、ボス戦に関してはシリーズでも最も簡単な部類に入るのではと思うほどであった。

テングマンこそ最初だったので苦戦をしたが、それ以降の8大ボスに関しては全て初見にも関わらず苦戦をすることはなく、大体が初回で撃破。撃破できなかったのはそれ以前にダメージを受けすぎていてという感じで、単純に力負けをしたボスはいない。

特別、弱点武器を使ったわけでもなく全てロックバスターのみなので、ボスの難易度は低めだろう。これはおそらく今作ではE缶が登場をしないため、途中で回復ができない前提の調整だからだと思われる。

体力を半分ぐらい削ってくる強烈な攻撃といったものがないので、HPが満タンであればゴリ押しで勝ててしまう感じである。

ボスで苦労をすることはなく、ステージも全体的に見ればそこそこの難易度なのだが、初見殺しが多く、特にスノーボードは鬼門だ。

直前にジャンプやスライディングの指示をしてくれるので、あっさり抜けられそうな感じがするのだが、矢継ぎ早にジャンプを支持されるとどこかで一回ぐらい失敗をする。即死ゾーンであるため失敗をすれば再度スノーボードの頭から始まることになり、何度も繰り返していると集中力が切れて凡ミスが増えてくる。

ジャンプとスライディングが入り混じっているので、しっかり覚えておかないとスライディングの暴発をして穴に落ちたりとドツボにハマってしまう。ジャンプのタイミング自体は実際のところそれほどシビアなものではなく、ギリギリでなければならないということはない。

強制スクロールなので、ある程度遅らせたほうが有利なのだが、逆にギリギリで飛ぼうとすると足を滑らせて落ちてしまいやすかったりする。それを嫌って早めに飛ぶと強制スクロールが追いつかなくなり、足場の位置や長さがわからなくなるので連続ジャンプは厳しくなる。

これも一回慣れてしまえば、成功率は格段にアップするのだが、そもそもがあまり面白くないので真剣にクリアしようという気にはなれず、ダラダラやっているうちにはまり込んで余計にミスを招くという悪循環になりやすい。

ワイリーステージの1面はボスを含め結局1時間ぐらいハマってしまうことになった。あまりに納得が行かなかったので、2周目をプレイしたが2周目はある程度慣れていたこともあって10分程度で抜けることができた。

先程、基本的にボスは弱いと書いたがワイリーステージ1面のボスは特殊なギミックがあるタイプで、特殊武器を上手く使わなければ倒すことができない。正解はロックボールを使うことなのだが、これはしっかりと当てなければ行けないため、最初にたまたま外れてしまったことにより効かないものだと思ってしまったのが、また厄介であった。

私が導いた結論としては、トルネードホールドを使って高さを合わせバスターを当てるというものなのだが、ここでもトルネードが上空まで伸びる時と途中で引っかかる時があり何が悪いのか理解できなかった。

単純に上空に障害物があるので引っかかっていただけなのだが、それに気づかずずっと背景だと思っていたことから、使い方が悪いのかと余計なことを考えさせられ時間を食ったわけである。

最終的には正攻法とは違うやり方でボスのアテテミーノを倒したわけだが、ある意味このようなやり方で倒すことができたのは、皮肉にも一番ロックマン的な楽しさを味わえた部分のような気がする。

後はワイリーマシンも多少苦戦したが、これは口を打てばレーザーのチャージが解除されることに気づかなかったためなので、ここに気をつければもう少し余裕を持って倒せるのではないだろうか。チャージ解除に関しては2周目でも気づかなかったため、2周目で一番苦戦をしたのはワイリーマシンとなった。

このふたつのボスに言えることは、トライアル・アンド・エラーで試したいところだが、ゲームオーバーになると面倒なスノーボードやボスラッシュをしなければならずに、色々試すことができないということだ。試行錯誤もサクサクできないところもイマイチなゲームだと感じさせられるポイントであった。

難易度的な問題はこのぐらいで、ゲームの面白さに関係してくる部分の話としては、ステージのギミックが面白さに貢献をしていないように感じる。

テングマンステージやワイリーステージのシューティング面や先述したスノーボードは、ロックマンをプレイしようとする人が求めているだろうかと疑問符がつく。過去作でも強制スクロールはなかったわけではないので酷評するほどでもなく、新しい試みとして変わったギミックを入れたと考えれば良し悪しかも知れない。

ところがそれ以外のステージのギミックも、あまり面白いとは感じずにむしろ面白さを阻害しているのではと思われるところが多々あった。特定の特殊武器を使わないと先に進めないというところがあるのだが、これは方法の一つであり作者の意図した正解はあるが、それ以外の方法でも先に進めるのがロックマンの良さではなかったのではないか。

強制的に製作者の意図したとおりに行動しなければならない部分が、新要素として盛り込んだと思えるところに多々見受けられので、もっと自由に遊ばせてくれと思う。

ループをする迷路や複数ある箱から正解を選ばなければ先に進めないという要素も面白いとは思えない。面白いか面白くないかは人それぞれだが、テクニックと関係ない部分で総当りを要求されるのは、ただただ間延びして面倒だ。マリオのループ面のように1ループが短く間違ってもサクサク進めるなら良いのだが、今作のもっさりした操作感で面倒な作業を強いられるのは苦痛だ。

最後にもう一つ気になったのが、7でもあったネジを使って強化パーツを作ることができるシステムだが、これは強化パーツありきの部分があり、素のロックマンが弱体化されていると感じた。

移動速度やスライディングが遅いのは、おそらくこれのせいで強化システムのために素のゲーム性が損なわれるという本末転倒な結果になっているのだ。

昨今の基本無料と謳っておきながら不便な状態から始まって、まともにプレイをするためには課金をしなければならないソーシャルゲームのようで、これはいただけない。

この手の強化システムは救済措置、あるいは普通にプレイをしていても不満はないが、あれば更に快適に進めるというものでなければ行けないのではないかと思う。少なくともスライディングのスピード、はしごを登るスピード、エスケープユニットはデフォルトで用意されていなければ不満を抱かせるだけではなかろうか。

酷評になってしまったが2周目をプレイするほどだったので、クソゲーとまでは行かないし、従来のシリーズを抜きにしてみればまずまず遊べるゲームという評価を下すことはできる。

しかし、残念ながらこのゲームはロックマンである。ロックマンである以上過去作との比較をされるのは免れないわけだし、過去作よりも劣る部分があれば叩かれるのは致し方がないだろう。

ロックマンの名を冠していなかったら、結構面白いゲームだったかも知れないね。