爽快感と適度な難易度が魅力のヘクター’87

2019年6月5日

1987年7月16日に発売されたシューティングゲーム。

シューティングゲームにしては珍しいHP制に、沙羅曼蛇のように縦スクロールと横スクロール面があるのが特徴。

ヘクター’87はスターフォースやスターソルジャーと比較をすると評価がイマイチのゲームである。

確かに、前身となる作品と方向性が変わっている部分が多いだけに、受け付けない人も多いのは頷ける話だ。

しかし、このゲームは長所と短所が表裏一体となっているので、長所と受け取るか短所と受け取るかで評価が大きく変わり得るゲームと言えるだろう。

ヘクター’87の問題点として、敵の耐久力が高いというものがある。

一撃で仕留めることができない敵が多く、シューティーングゲームで重要な画面上の敵をとにかく撃墜する爽快感に欠けるのは確かか知れない。

その一方で、自分の連打力に自信のある人間であれば連打力を思う存分に活かすことができるので、敵の硬さはむしろやりがいに通じるので短所がそのまま長所へと変わることになる。

難易度が高いという問題があるが、アーケードのシューティングからすれば、それほど難しいものではなくパターンを覚えなければ難易度は高いが、パターンゲーであるためトライアルアンドエラーで少しずつ先に進める楽しさはある。

パターンを覚えてしまえば、適度にやりごたえのある難易度になるので、ファミコンのシューティング全般にやりごたえを感じないという人にとっては、楽しめる難易度になっているのではないだろうか。

ところが、一つ問題があり難易度の高さに先ほどあげた敵の硬さが含まれてしまうので、連射機がなく連打力がない人だとこのゲームはお手上げになってしまう。

連打をすることに楽しみを感じられる人であれば非常に楽しいのだが、そもそもそのような人がどれだけいるかは疑問である。

キャラバンシューターなら、そこまで連打を苦にすることもなさそうだが、それでもヘクター’87の評価がいまいちなところを見ると、連打力を問われるのはあまり求められていないような気もする。

なので、完全に人によって好みが分かれるというのは事実だろう。

連射機があればパターンゲーになるので、少しずつ先に進む喜びを味わうかも知れないが、連射機を持ってしても敵の硬さが気になり、自力で倒すわけでもないので爽快感に欠けるためイマイチになってしまうかも知れない。

決して爽快感のないゲームではないのだが、爽快感を味わうことができる人間は一部の人間に限られてしまっていることから、どうしても評価は辛めになってしまうのは仕方がないね。

パワーアップもなければゴリ押しもきかず、しっかり戦略を練らないと先に進めない。

素人お断りの難易度に、敵も硬い、まさにそのまま硬派なシューティングだと言えるだろう。

ガチシューターじゃないけれども、ちょっとやりごたえのあるシューティングに挑戦をしたいといった人には良いかも知れないね。

ちなみに一面の曲はよくボンバーキングに似ていると評されるが、聴き慣れてくるとぜんぜん違うと感じるようになる不思議。